還暦を迎える頃、すったもんだで熟年離婚をした友人の素敵なお話です。長い間連れ添ったご主人と、本人の希望であったとはいえ、かなりのストレスを抱え離婚。

直後は疲れを見せていた彼女でしたが、明らかに腫れ物が取れたかのように、日に日にスッキリした顔つきになっていきました。

彼女には2人お子さんがいましたが、既にどちらも独立して別々の住まい。スッキリしたはしたけど、朝起きると1人。夜寝る時も1人。このまま孤独な毎日を送っていくのかと、時々不安が襲ってくる日々が続いたそうです。

それでも、離婚を決断したことは正しかったと証明するかのように、彼女はずっとできなかったこと。例えば、友達と旅行や、離れた家族や親戚に会いに出向いたり、アクティブに動く毎日でした。

子育て終了。今こそ人生を楽しむ時間

長年、母親であり続けた彼女でした。おそらく本当はもっと早くに、ご主人とは離婚したかったのだと思います。はたから見れば、いい夫婦に見えましたが、実際は全く幸せではない生活だったと言います。

例えば、一切子育てに参加してくれなかったとか、結婚生活の中で一度も労いの言葉もなく、プレゼントと呼べるような贈り物をされたことなど1度もなかったそうです。

もしかしたら、そんな夫婦たくさん世の中にはいるかもしれません。でもある日、彼女は気づきました。一度しかない人生、私は何をしているのだろうと。

子育てが終わり、自分だけの時間を考えられる時がついにやってきて、遅すぎることはない。一緒にいる不幸より1人になる不安を選びました。

持つべきものは交友関係の広い友達

朝晩、時々襲ってくる孤独や不安と戦いつつ、彼女は日々、習い事に参加、ショッピング。趣味を増やすなど、少しでも家にいないように予定を埋めるのに忙しそうに見えました。それは、寂しさの裏返しだったのかもしれません。

彼女には幸い、たくさんの友達がいました。中でも彼女の事情を知ってる友達は、再婚とまでは言わないから、せめて彼氏と呼べる人がいたらと望む声がありました。

そんな中、ある日のことです。友達の家で開かれたホームパーティー。そこで、運命とも言える男性との出会いがありました。彼女はその男性とは初対面でした。

後から知った話ですが、彼女を心配した友達が、自分の知ってる人づてに、同じ年齢層の独身男性がいないか探していたようです。彼もまた、熟年離婚を経験した同じ痛みを共有できる相手でもありました。

ホームパーティーではお互いの自己紹介をし、終始雑談のみで終わったようです。ただ、間違いなくお互い意識しあっての会話だったのだろうとは思います。

いい大人が、浮き足立ってはいけないとか、恋愛とかいう年ではないということがずっと頭の中にあったのでしょう。

ただ、そんな彼女の性格を熟知している友達は、容赦なく、お互いの連絡先を交換させたり、随分盛り上げたようです。

いくつになっても女子は女子

かれこれ、そんな出会いがあってから、数日。男性の方から突然彼女の自宅に花が届きました。紳士的な男性からの贈り物に、彼女は舞い上がるような思いだったそうです。

ご主人からもされたことがないようなことを、この年になって誰かにしてもらえるなんて、思ってもなかったことと。早速友達への報告会。その様はまさに、かつて恋愛トークで盛り上がった20代の頃と変わりません。

男性とはその後、2人で食事に出かけたり、お芝居を観に行ったりとデートを重ねているそうです。また、事あるごとに花の贈り物。

彼女の手料理に対してはいつも、感謝の言葉。彼女自身も、離婚直後の時にも増して、ファッションやメークにも気を使うようになり、明らかに周りから見ても若返ったのがわかります。

そしてもう1つ。彼女の背中を押したのは彼女の2人の子供たちです。子供達の反応を心配していた彼女でしたが、心配の必要など皆無で、喜ばれたそうです。

独立してそれぞれ家庭を持つ子供達。逆に、1人でいる母親が心配だったと言います。そして、若返った母親を見て、今がどれだけ幸せか、わかりやすいほどよくわかる。反対する理由なんてどこにもないと言われたそうです。

まとめ

何よりも素敵だなと思うのは、若い頃にした恋愛は、自らが未熟な分、心にもないことを言い相手を傷つけてしまったり、お互いがわがままな分、相手を許せなかったり。

すごく不器用なものだった気がしますが、いろんな人生の経験をしてきた今。巡り会えた出会いを大切にする術を知っているっていいなと2人を見ていて思います。

打算とかそういうことなく、純粋に相手を思える。年齢を重ねてきたからこそできる、まさに大人の恋愛がそこにあります。

これから先、彼女たちが今後、どういう風になっていくかはまだわかりませんが、きっと、焦る必要もなく、時々襲ってくる不安や孤独とも戦うことなく、穏やかな時間を過ごすのだと思います。

今まで、恋愛話のメインはいつも若い人の特権のように限られてきましたが、恋愛には早いも遅いもなく、どちらかというと、いろんなことを乗り越えて見つけた恋愛こそ、究極に純粋で真っ直ぐなもののような気がしてなりません。

 

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